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鍋島とは

鍋島藩の御用品として特別に生産された磁器が鍋島で、日本の磁器の最高峰に位置づけられています。
鍋島は有田近郊の大川内山に1670年代に開窯され、伊萬里の製品とは違った独特の形式美を持つ精緻な磁器を生産しました。
その製品は食器類で、一尺、七寸、五寸など、円形木盃形の皿が主体で、純日本的な意匠があらわされ、それらは市販を目的とするものではなく、専ら将軍家への献上を主目的とし、藩主の贈答用に供されたといわれています。


鍋島色絵

色鍋島とも呼ばれ、品格と華麗さにおいて日本の色絵磁器を代表するものです。
素地に呉須で輪郭線や濃(だみ)などの下絵付をして焼成した後、赤、黄、緑の三色の絵具で上絵付を施すのが基本です。
赤は濃くあでやかに、黄は淡く上品、緑はやや青みを帯びた独特の色合いをしています。
描かれる文様は写生的なものと図案的なものとに大別されますが、いずれも独創的かつ極めて洗練されています。


鍋島 色絵五方割唐花文皿
17世紀後期~18世紀前期 口径20.0cm 高台径10.9cm

鍋島 色絵和本文皿

17世紀後期~18世紀前期 口径20.4cm 高台径10.2cm

鍋島の典型である木盃形の七寸皿です。
周囲を五方割にして華麗な唐花文で飾りながら、一転して中央が桜花のような白抜きとなる文様構成となっています。
正確な染付線の上に施された赤、緑、黄の上絵具の配色も見事です。
裏面は花唐草文を三方に配し、丁寧な櫛目文を高台に廻らせています。

七冊の和綴じ本を器面に散らした、動きのある構図が特徴の皿です。
染付であらわした表紙には、墨弾きで青海波文と紗綾形文、唐草文、色絵の表紙は赤で青海波文と亀甲繋文が描かれています。
さらに、赤や黄、緑の絵具を使った秋草文の冊子で意匠に変化をつけています。






鍋島染付

藍鍋島とも呼ばれています。色鍋島のような華やかさはありませんが、藍一色で気品にあふれた優品が作られました。
これらには、継ぎ目もわからないような正確な線描き、ムラのない濃(だみ)、染付の中に白抜き文様をあらわす墨弾(すみはじき)など、高度な技が使われています。
名高い色絵製品も、この染付技術がなくては成り立たないものです。





鍋島 染付童子雪合戦文三足付大皿
17世紀後期~18世紀前期 口径30.5cm 高台径19.6cm

鍋島 染付紗綾形大根文皿
17世紀後期~18世紀前期 口径20.0cm 高台径10.3cm

蛇の目状の高台に葉をかたどった足が三方に付く、独特の器形が目を引きます。
器形に劣らず描かれる文様、それらを表現する染付技術のいずれも秀逸です。
樹木に積もった雪、山容と雪渓の対比、戯れる童子など、染付の濃淡と確かな線描きで、静寂の中に躍動する光景が表現されています。

大根という身近な野菜を優雅に意匠化した皿です。
口縁に沿って配された二股大根は白抜きでみずみずしく、葉は線描きと濃でしなるように表現されています。
さらに背景に目をやれば、墨弾きによる精緻な紗綾形文で埋められており、染付技術の粋が尽くされていることがわかります。


鍋島青磁
鍋島では日本を代表する青磁も生産しました。
微量の鉄分を含んだ釉薬は、光沢のある美しい青緑色を呈し、厚い釉層をしています。これは釉薬を何度も掛け、その回数だけ焼成を繰り返して出来上がったものです。
全面に青磁釉を施した製品の他に、染付や色絵に部分的に掛け分けたもの、青磁釉の上に絵付をしたものや、釉下に呉須で文様を描いたものもあります。



鍋島 青磁耳付花生
17世紀後期~18世紀前期 高さ28.9cm


鍋島 青磁色絵五葉松文大皿
18世紀中期 口径29.7cm 高台径15.4cm

筒形の胴から頸部が伸び、ここに鳳凰をかたどり左右に貼り付けて耳とし、口縁は盃形に張り出していいます。
澄んだ青磁釉で覆われたこの耳付花生の祖形は、中国南宋の龍泉窯に求めることができます。
鍋島では食器以外にも、このような花器や香炉といった道具類に青磁の優品が多く残っています。

青磁釉を全面にかけて焼成した後、上絵具で五葉松文を描いた大皿です。
鉄絵具で堂々とした幹と枝、鮮やかな朱で松毬、黒の線描きに緑の絵具で松葉をあらわしています。
鍋島の青磁色絵の中でも、この皿は完成度の高さにおいて随一の作品といえるでしょう。







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