186 鍋島色絵萩文向付 製作年代 元禄〜享保(1688−1736年) h6.9cm d10.0cm

鍋島の茶碗の中では傑出した作品である。
茶碗は色絵、染付等でときどき見受けるが、これだけのものは皆無である。
薔薇図茶碗は口縁がやや反っているが、これは胴に脹らみをもたせながら立ち上がっている。両面に描かれた萩はさすがに見事で葉は染付、緑、黄と交互に調和を保ちながら色彩芸術の枠を高度に発散している。
赤の萩は可憐で目立たないが全体をよく引締める役割を果たしている。