120 伊萬里色絵草花文香合
 製作年代 寛文(1661−1673年) h5.6cm d9.8cm

この蓋物も香合とした。これは第119図香合と一体となって古き箱に収められていた。
一廻り程小さいが既に赤絵の技法が完成した寛文初期のものである。
小さな蓋物一面に赤、黄、群青、緑を駆使し軽妙闊達スピーディーな筆致と優れたセンスで草花を描く、赤は初期の特色を強く発揮している。
このような小さなものは破損し易いものであるが、完全に保たれていることはこの佳品を愛し続けたその心に打たれるものがある。