119 伊萬里色絵牡丹文香合
 製作年代 寛文(1661−1673年) h6.3cm w10.2cm

小さな蓋物に過ぎぬが、実に力強い小品である。
香合とはしてみたがはたして先人は何を入れて楽しんだものであろうか。自然発生的に出てきたもののようである。
菊花を表現したと思われる縦線の彫り込み、その中央に群青のみで無雑作に描いた牡丹、造形は新鮮な感覚に満ちている。陶工は無意識につくっているから、美の理念を聞いても解らない。だが美は何であるか理念でなく知っている。
これはそのような中で切切と作っている。