031 伊萬里色絵虫籠形香炉 製作年代 延宝〜元禄(1673−1704年) h8.4cm

虫籠を形どった香炉とは何んと機智的発想であろう。かつてこの手のものを柿右衛門と称した時代があったが、赤絵町の画工の手になったもので柿右衛門とは何等関係のないものである。
大胆に黒で描いた区画の中に愛らしき花模様を添えたのも一興である。
三脚の夫々の先端に紐を廻らしこれを蓋の中央で結びこれを摘みに代えその両端を朱で染めた構成は抜群でこの香炉を一層異色新鮮なものにしている。